ワールドカップ期間中はオンラインアカウントを安全に保つ方法
2026年ワールドカップは複数の開催都市で行われ、世界中から膨大な観客が集まります。約650万人がスタジアムに足を運ぶと見込まれる一方で、さらに多くの人々が渡航の手配やリセールチケットの確保に動き、ホテルのWi-Fiからワールドカップ公式アプリを頻繁に利用することになります。
フライト予約やチケット購入、外出先でのアカウント利用が増えるほど、通常よりも詐欺に巻き込まれるリスクは高まります。慣れないネットワークの利用、即断を迫られる状況、時間的なプレッシャーといった要因が重なり、警戒すべきサインを見逃しやすくなるためです。
本ガイドでは、想定される主なリスクと、オンラインアカウントを安全に守るために今すぐ実践できる対策をわかりやすく解説します。
注意すべきサイバー脅威
ワールドカップのような大規模イベントでは、需要の高まりや時間的な切迫感、慣れない環境にいる人の多さから、詐欺が発生しやすくなります。ここでは、ワールドカップ期間中に特に注意すべき詐欺の手口 を紹介します。
偽サイトや投機的なチケット掲載
リセールサイトでは、公式チケットが発行される前から数千ドル規模でワールドカップの座席が出品されるケースも少なくありません。中には、後からチケットを確保できることを前提にした投機的な出品もあれば、単なる詐欺も存在します。
注意すべきポイント:
- 正規の購入先は公式チケット販売プラットフォームのみです。
- 認可された二次流通は、公式リセールおよび交換マーケットに限定されています。
- 2026年大会ではPDFチケットは存在せず、すべてのチケットはデジタル形式で公式ワールドカップアプリを通じて提供されます。PDFや紙のチケットを提示された場合は偽物と考えてください。
- 正規ルート以外で購入したチケットは、予告なく無効化される可能性があります。たとえFacebook Marketplaceで購入した「本物」のチケットでも、入場前に無効となるケースがあります。
詳しくはこちら: ワールドカップのチケット詐欺を回避する方法
ホテル・航空券・ビザの偽サイト
チケット詐欺が注目されがちですが、宿泊関連の詐欺も深刻な問題です。詐欺師は予約内容を偽装したり、宿泊施設が不足する都市で詐欺を仕掛けたり、正規サイトに紛れて検索結果に表示される広告を出稿するケースもあります。
見極めるべきポイント:
- 相場より明らかに低い価格設定(単なる「安い」ではなく、不自然に低い点に注目)。
- 「20%割引するのでWhatsAppで直接連絡を」といった、プラットフォーム外での支払い誘導。
- レビューが極端に少ない新規掲載、または画像検索で使い回しと判明する写真。
- ドメイン名のわずかなスペル違いや、正規サイトに似せたURL。
中には偽のログインページとして機能し、メールアドレスやパスワードの入力を誘導するサイトもあります。入力した情報は、個人情報の不正利用 や金融詐欺に悪用される可能性があります。
米国へ渡航する海外ファンは、電子渡航認証システム(ESTA)を悪用した詐欺にも注意が必要です。手数料を請求して申請代行をうたう第三者サイトは、公式の政府サービスではありません。申請は必ず esta.cbp.dhs.gov/ から直接行いましょう。
フィッシングメッセージ
旅行の予約やチケット購入を済ませた後は、フィッシングの標的になりやすくなります。フィッシングメッセージ は、ワールドカップ主催者や航空会社、ホテル、銀行、配送業者などを装い、無意識にリンクをクリックさせようとします。
よくある文面の例:
- 「チケットに問題が発生しています。24時間以内にアカウントを確認してください。」
- 「旅程変更のお知らせ:こちらから予約内容をご確認ください。」
- 「決勝戦チケットの抽選に当選しました。」
- 「お荷物が税関で保留されています。解除には4.99ドルのお支払いが必要です。」
緊急性を煽る内容でリンクが含まれている場合は、警戒すべきサインです。リンクをクリックすると、偽サイトへ誘導されたり、マルウェア がインストールされるおそれがあります。
公共Wi-Fiと偽アクセスポイント
空港やホテル、スタジアムの公共Wi-Fiは便利で、通常の閲覧であれば比較的安全に利用できます。実際のリスクは正規ネットワークそのものではなく、名前を似せた偽ネットワークにあります。
たとえば空港では、「Airport_Free」と「Airport_Free_WiFi」といった似た名前のネットワークが表示されることがあります。一方は正規のものですが、もう一方は攻撃者が用意した偽ネットワークです。これは イービルツイン攻撃 と呼ばれます。誤って接続すると、暗号化されていない通信を盗み見られたり、偽サイトへ誘導される可能性があります。
正規のネットワークであっても、多くの利用者と共有されている点には注意が必要です。セキュリティ対策が不十分な場合、通信の盗聴や不正アクセスのリスクが高まります。
詳しくはこちら: ワールドカップにおけるWi-Fi安全対策ガイド
危険なQRコード
QRコード はあらゆる場所で利用されており、その分悪用されやすいのが実情です。QRフィッシング(クイッシング)と呼ばれる手口では、レストランのメニューや駐車メーター、EV充電器などにある正規のQRコードの上に偽のコードが貼られます。利用者は決済サイトにアクセスするつもりで読み取りますが、実際には偽のログイン画面やマルウェアのダウンロードへ誘導されます。
SIMスワップ詐欺
SIMスワップ詐欺 とは、携帯キャリアを騙してあなたの電話番号を攻撃者のSIMやeSIMに移行させる手口です。番号を奪われると、SMSのワンタイムパスワード(OTP)やアカウント復旧コードを受け取られる可能性があります。
ワールドカップに向けて出発する前に
対策の多くは出発前に決まります。事前準備が結果を大きく左右します。
強力で使い回さないパスワードを設定する
複数のサイトで同じパスワードを使い回していると、1つの漏えいだけで他のすべてのアカウントが危険にさらされます。各アカウントには、強力で一意のパスワード を設定しましょう。12文字以上で英字・数字・記号を組み合わせるか、「purple-piano-radish-cliff」のように無関係な単語を組み合わせたパスフレーズも有効です。
ExpressKeysのようなパスワードマネージャー を使えば、アカウントごとに強力なパスワードを自動生成・保存し、入力も自動化できます。メール、銀行、ワールドカップアプリ、航空会社、ホテルなどのログイン情報を登録し、使い回しているパスワードはこの機会に更新しておきましょう。
二要素認証(2FA)を有効にする
銀行口座やメール、SNSなどの重要なアカウントでは、二要素認証(2FA) を必ず有効にしましょう。追加の認証ステップが加わることで、仮にパスワードが漏えいしても不正アクセスを防ぎやすくなります。
SMSによる2FAでも一定の効果はありますが、認証アプリやハードウェアキーの方がより安全で、通信回線に依存せず利用できます。もし1つだけ対策を行うなら、メールアカウントの保護 を最優先にしてください。メールは“マスターキー”の役割を持ち、アクセスされると他のサービスのパスワードリセットを通じて連鎖的に侵害される恐れがあります。
ヒント: ExpressKeysは 2FAコードの生成 にも対応しており、パスワードと認証コードを一元管理できます。
スマートフォン・ブラウザ・アプリを最新の状態に更新する
出発前に、保留中のアップデートは必ず適用しておきましょう。アップデートには、攻撃者が悪用する既知の脆弱性の修正が含まれています。渡航先で、信頼性の低いホテルWi-Fiを使って大容量のアップデートをダウンロードする状況は避けるべきです。
可能であれば自動更新を有効にし、セキュリティパッチが公開され次第すぐに適用されるように設定しておきましょう。
セキュリティツールを導入する
デバイスには、アンチウイルスやVPN(仮想プライベートネットワーク) などのセキュリティツールを導入しましょう。アンチウイルスはダウンロードファイルを含めてデバイス全体をスキャンし、マルウェアや不正アプリの検出に役立ちます。
ExpressVPNのような信頼性の高いVPN は、通信を暗号化することで、信頼できないネットワーク上での盗聴リスクを軽減します。さらにIPアドレスを隠すことで、トラッキングや位置情報を悪用した詐欺のリスクも抑えられます。ただし、フィッシングや偽サイトそのものを防ぐわけではありません。とはいえ、一部のVPNには追加の保護機能があります。たとえば、 ExpressVPNのThreat Manager は、既知の悪意あるドメインへの接続をブロックし、詐欺やトラッカーへの接触を減らします。
アプリとアクセス権限を見直す
渡航前に、不要なアプリは削除しておきましょう。デバイス内のデータ量を減らすと同時に、不必要なアクセス権限も制限できます。
残したアプリについては、設定画面で アクセス権限を確認 しましょう。チケットのスキャンに必要なカメラアクセスなどは問題ありませんが、連絡先や位置情報など不要な権限は見直すべきです。
ワールドカップ関連アプリをダウンロードする際は、メール内のリンクではなく、必ず公式ストアや公式サイトを利用してください。インストール後は、必要最小限の権限に設定しておきましょう。
データをバックアップする
出発前に、連絡先や渡航書類、身分証、予約確認メールなどの 重要データをバックアップ しておきましょう。スマートフォンの紛失や盗難時に、被害を最小限に抑えられるかどうかを左右します。
あわせて、端末の追跡・検索機能も有効にしておきましょう:
- iPhone: Settings(設定)> [your name] > Find My(探す) > Find My iPhone(iPhoneを探す) をオン > Find My network(探すネットワーク) と Send Last Location(最後の位置情報を送信) を有効化。
- Android: Settings(設定) > Security & Privacy(セキュリティとプライバシー) > Find My Device(デバイスを探す)> 有効化。
利用限度額と通知を設定する
クレジットカードには、1日あたりや1回あたりの利用限度額を設定しておきましょう。支出管理がしやすくなるだけでなく、紛失・盗難時の被害を最小限に抑えられます。
銀行アプリの取引通知も必ず有効にしておきましょう。ワールドカップ期間中に アカウントが不正アクセスを受けた 場合でも、異常な取引を早期に把握できます。
ワールドカップ現地での対策
事前準備が整ったら、現地では日々の行動でアカウントを守りましょう。
公式アプリと公式サイトだけを利用する
チケットの再販、交換、渡航する友人への譲渡は、すべて公式アプリを通じて行います。スクリーンショットやWhatsAppなど、公式チケットアプリ以外の方法で「すぐに譲渡できる」と持ちかけられた場合は、応じないでください。
チケット、旅行予約、支払いに関する公式サイトはすべてブックマークしておきましょう。偽サイトが紛れ込む可能性のある検索結果に頼らずに済みます。
パスワードを入力する前に、URL全体を必ず確認してください。余分な文字や不自然なドメイン(末尾部分)がないかを見極めましょう。ブラウザのアドレスバーに表示される鍵アイコンは、通信が暗号化されていることを示すだけで、サイトが本物であることを保証するものではありません。
リンクやQRコードにも注意が必要です。航空会社、ホテル、銀行から「緊急」と書かれたメッセージが届いた場合は、リンクを直接開かず、公式アプリやブラウザで公式サイトを確認しましょう。公共の場にあるQRコードに傷や重ね貼りの跡がある場合は、タップする前にURLプレビューを確認してください。
メッセージアプリにロックを設定する
SNSやメールアプリには、PIN、パスワード、生体認証によるロックを設定しましょう。あわせて、通知が届いたときにロック画面へ何が表示されるかも確認してください。多くのスマートフォンでは、初期設定でメッセージ内容が表示されます。混雑したスタジアムや電車、ファンゾーンでは、ロック画面に一瞬表示されたパスコードやPINなどの機密情報を覗き見される、ショルダーサーフィン のリスクがあります。通知設定は「プレビューなしで表示」に切り替えておきましょう。
ログイン中のセッションと連携端末を確認する
Telegram、WhatsApp、LinkedInなどのアプリでは、複数の端末で同時にログイン状態を維持できます。便利な一方で、端末が盗まれた場合、ログイン中のセッションを悪用されてアカウントにアクセスされるおそれがあります。
各アプリで連携端末の一覧を確認し、見覚えのない端末は削除してください。端末を借りた場合は、返却前にすべてのアプリからログアウトしておきましょう。
ワールドカップのような注目度の高いイベントでは、ファンを狙った詐欺が多発します。たとえば攻撃者が「Telegramのワールドカップ討論グループ」へのリンクを送り、参加のためにQRコードをスキャンするよう促すケースがあります。しかし実際には、そのQRコードによって攻撃者の端末があなたのアカウントにログインされてしまう可能性があります。
自動ダウンロードを無効にする
メッセージアプリでは、自動ダウンロードを無効にしておきましょう。確認していないファイルが端末に保存されるのを防げます。
攻撃者は、チケットの案内やキャンペーン、プレゼント企画を装って、不要なファイルや悪意のあるファイルを送ってくることがあります。ファイルを開く前に内容を確認することで、こうしたリスクを抑えられます。
万が一トラブルが発生したら
ここまでで、ワールドカップ期間中にメッセージアプリやメール、銀行・決済アプリを安全に利用する方法を確認してきました。ただし、どんな対策にも絶対はありません。万が一トラブルが起きた場合に備えて、次に取るべき対応を押さえておきましょう。
スマートフォンを紛失・盗難された場合
別の端末から、Googleの「Find My Device」またはAppleの「Find My」にログインし、端末の現在地(オンラインの場合)または最終確認位置を確認しましょう。その後、「Mark as Lost」(Android)または 「Lost Mode」(iOS)を有効にして端末をロックし、返却用メッセージを表示するとともに、Apple PayやGoogle Payを無効化してください。
最終手段として、端末を遠隔消去することも可能です。ただし、その後は位置追跡ができなくなります。
現地の警察へ被害届も提出しておきましょう。旅行保険やクレジットカードの補償申請では、届出番号が必要になる場合があります。
アカウント侵害が疑われる場合
アカウントが不正アクセスを受けた疑いがある場合は、次の対応を行ってください:
- 別の端末からパスワードを変更する。
- すべてのログイン中セッションからサインアウトする。
- 影響を受けたアカウントで2FAを有効化する。すでに設定済みの場合は、無効化されていないか、復旧用メールアドレスや電話番号が変更されていないか確認する。
- 不審なリンクを開いたりファイルをダウンロードした場合は、端末のセキュリティスキャンを実施する。
- 最近のアクティビティを確認し、不審な操作がないか調べる。
- 自分のアカウントから勝手にメッセージやリンクが送信されていた場合は、連絡先へ注意喚起する。
金銭被害の恐れがある場合
身に覚えのない取引通知を受け取った場合は、すぐに対応してください。
- 銀行へ連絡し、カードを利用停止にする。
- 不正請求として正式に異議申し立てを行う。被害拡大を防ぐため、できるだけ当日中に対応しましょう。
- スクリーンショット、取引ID、日時など、関連情報をすべて記録しておく。
- 適切な機関へ詐欺被害を報告する:
- 米国: https://reportfraud.ftc.gov/ 、およびサイバー犯罪向けの https://www.ic3.gov/。
- カナダ: Canadian Anti-Fraud Centre(https://antifraudcentre.ca/ )およびCompetition Bureau。
- メキシコ: Procuraduría Federal del Consumidor(PROFECO )。
- パスポート、運転免許証、社会保障番号などの個人情報が漏えいした可能性がある場合は、クレジット凍結 を申請することで、第三者による新規口座開設を防げる場合があります。
FAQ:ワールドカップ期間中にオンラインアカウントを安全に保つためのよくある質問
海外でワールドカップ観戦中に銀行アプリを使っても安全ですか?
はい。海外でも銀行アプリは安全に利用できます。ただし、公共Wi-Fi はセキュリティ対策が不十分な場合があるため、可能であればモバイルデータ通信を優先してください。モバイル通信が利用できない場合は、公共Wi-Fiやモバイルホットスポット接続時にVPNを使用しましょう。
WhatsAppで送られてくるワールドカップのチケット情報は安全ですか?
いいえ。本物のワールドカップチケットがWhatsAppやFacebook、その他のメッセージアプリ経由で販売・譲渡されることはありません。チケットは必ず 公式サイトや公式アプリ から購入してください。第三者が送ってきた「チケットあり」といったメッセージ内のリンクは開かないようにしましょう。
ホテルのWi-Fiでメッセージアプリやメールを使っても安全ですか?
ホテルのWi-Fiは、通常の閲覧やメッセージアプリの利用であれば比較的安全です。ただし、銀行口座へのログインなど機密性の高い操作を行う場合は、モバイルデータ通信を利用する方が安心です。
ワールドカップ期間中、旅行者は犯罪の標的になりますか?
ワールドカップのような大規模イベントでは、高い需要や時間的プレッシャー、多数の旅行者につけ込む 詐欺 が増加します。偽のチケット販売、フィッシングメッセージ、不正な予約サイトなどが代表例です。
どんな対策にも絶対はありませんが、基本はシンプルです。公式ルートのみを利用し、緊急性を煽るメッセージは疑い、支払いにはクレジットカードを利用しましょう。
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